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洛東

quod tacui et tacendum putavi.

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「人間よ。汝、微笑と涙との間の振子よ」(ソウル)

ソウルイーター。ソウル。とマカ。

鎌コンビはこの二人でもパパと先生でもだいすきです。リーチ長い武器ってもえる。






柱時計が正午を指した。
揺れる振り子が鎌を想起させて、ソウルはこっそり笑った。
図書館の柱時計は鳴らない。読書の妨げになるからだ。静粛を旨とする一画で、チャイムの音は遠い。だから気を抜くとすぐに時間がわからなくなってしまう。
こちこちと精緻で眠くなるリズムを刻んで針は頑なに動き続けている。

時計が進むのは振り子が揺れるからだ。振り子は飾りではない。振り子が揺れるから針は進むし鐘は鳴るのだ。
ソウルは戯れに、振り子と時計のくだりを自らと相棒に置き換えてみる。

大鎌が振るわれる。
長大な得物を自在に操ってみろ。それは振り子。お前を左右するもの。
俺を自在に左右することで、お前はお前として自由になる。そのお前に影響される俺というひと振りの鎌。武器とはそうしたものだ。職人と武器は不可分だ。
武器は道具ではなく、手足であり、また手足などではなく、れっきとした道具である。
どちらも、踏まえて。
俺はお前の手足のようにお前を偽らないものでありたい。
ここぞというときは特に。

だがとりあえず、今は左右されているのはソウルのほうらしい。振り子が揺れて遠いチャイムが鳴って、時間が来たというのにまだ彼の相棒は書物に埋れている。
あの振り子がもう数往復したら、時間だと声をかけようか。
振り子は彼の嘆息と苦笑を左右し、ゆっくりとしかし確かなリズムで行き来している。




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偉人の言葉で15題 207ベータ さま

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フラグメント

↑old↓new
〈落忍〉
生い先こもれる窓のうちなるほど(滝夜叉丸と綾部)
かじつ(五年ろ組)
営門を仰ぐ(小松田)
艶書(会計委員会)
俺の指を噛んで(六年は組)
裏打(伊助とは組の誰か)
全てを捧げる朝(きり丸)
今夜の嵐は荒れるだろう(久々知と伊助)
空蝉(金吾と喜三太)
知音(双忍)
寄する波(会計委員会)
故にあなたを捨てられない(図書委員会)
内密(双忍)

〈グレンラガン〉
手折る指先(ロシウとシモン)
順列のともし火を絶やさぬよう(ロシウとヨーコ)

〈ソウルイーター〉
「ひどく憎んでいるかぎり、まだいくらか愛しているのである。」(シュタイン)
「人間よ。汝、微笑と涙との間の振子よ」(ソウル)
「どんな忠告を与えるにしろ、長々と喋るな。」(椿とブラックスター)
秘密という寓話(マカとソウル)

〈SilverSoul〉
葡萄色した東雲に(銀時と土方ととある女)
フォゲット・ミー・ノット(土方と銀時)
Good bye.(神楽と新八)

〈APH〉
夕焼けに薔薇と桜(イギリスと日本)
ドリンクはお好みで(フランスとイギリスとアメリカ)
約束の約束(アメリカと日本)
落葉の手(日本とイタリアと)
寒鴉ひとこえ是と哭けり(プロイセンとロシア)
わたしの緑、わたしのケロイド(イギリスとアメリカ)
藍より出でて(イギリスと日本)

〈fkmt〉 
2番までは知らない(カイジとアカギ)
銀河と君が近かった時代(ひろと赤木さん)
高さのちがう肩に降る(しげるとカイジ)
きしんだ髪と遠くの愛(カイジ)
先生が優秀でしたから(ひろと赤木さん、市川さんとアカギ)
失う前に捨てなさい(カイジとアカギ)
手遅れになったら会いましょう(アカギとカイジ)
ていたらくの作り笑い(しげると涯と零とカイジ)
今はまだ昨日のこと(赤木さん)

〈neuro〉 
アーケオプテリクスの緑(弥子とネウロ)
a solitary example.(弥子とネウロ)
ラワーレ(弥子とネウロ)
いつも五分前(篚口と弥子)
The sleeping Cat.(ネウロと弥子)
n and y(弥子とネウロ)

〈其の他〉
春風の地平(はぐと花本先生)
無何有郷(ベルとキティ)
蓮(曽良と芭蕉)
君は呟く。(中禅寺と榎木津)
ダーリン・フロム・ヘル(笠野と達海)
くたばってしまえ(静雄と臨也)
こどもは隠れるのがうまい(ジャーファルとアラジン)

〈一次創作:掌編〉
薄荷はレモン
香典はセロリ分引いといたから次は蟹で頼む
星に願いを
みかん捨て場には近いし隣室がちょうどいい
語感で会話してるとこうなるっていう一例
十年一日(俺の十年、奴の一日)
コーヒー置いてけ
船出の刻
透明人間は派手で儚いレインボーの夢を見る
モ・クシュラ
蝶々が尋ねる花はこの野にある
秋は剥落

管理人:りつか

ぎんたま以外に書いたものを雑多に。 コンセプトは「好きなものを好きなだけ」。

quod tacui et tacendum putavi.…「わたしが語らなかったこと、そしてわたしが黙っているべきだと思ったこと」。いわぬが花を口にする無粋、を承知で語らずにはおられない気持ちで。

ぎんたま以外に書いたものを雑多に。 コンセプトは「好きなものを好きなだけ」。

 





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