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洛東

quod tacui et tacendum putavi.

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ドリンクはお好みで(フランスとイギリスとアメリカ)

ヘタリア。フランスとイギリスとアメリカ。

人名表記採用です。フランス→フランシス、アメリカ→アルフレッド。
ショートショート。






コーヒー党と紅茶党の組み合わせは入る店に不自由する。というわけではないのだが、入る店を選ぶ段階でお互いの指が逆を指すことは往々にしてある。
アルフレッドはロス発祥のとあるコーヒーショップを、アーサーはカフェを指した。互いの片方の眉が持ちあがる。
ここで口論してみせるのは簡単だ。だが譲るのは難しい。易いほうに流されようとして口火をきりかける自らをなだめて、二人は一瞬ことばを探した。
フランシスはフランシスで内心口笛でも吹きたい気分だった。常ならば、お前らは口論を挟まないと次のステップに進めないのか、と苦笑まじりで仲裁を入れるところだ。成長してきてるのかね、と思ってからいいやと思い直す。気分の問題だろう。口論もまた、その中身が何であれカップを傾け席をともにするのと同じく、時と場合によりコミュニケーションのひとつである。アルフレッドとアーサーにかぎらず、フランシス自身にもいえることだったので、彼は実のところ二人の口論が嫌いではない。
うまい言葉が思いつかなかったのか、アルフレッドがいつもの調子で肩をすくめた。アーサーが口を開きかける。このままではいつものような口論に雪崩れ込むのも時間の問題だ。それも悪くはないのだが。
紅茶党とコーヒー党の喧嘩を止めるのは、ワイン党の自分の役目だろう。フランシスは二人の嫌そうな顔を思い浮かべながら、上機嫌で右のコーヒーショップと左のカフェの向こうの、道の先のバーを指した。




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やいのやいのいいながら飲めばいい。
ビール党のルートとかパスタ党のフェリとかトマト党の親分子分とか、考えましたがカオスでした。最終的に飲み物じゃないし。
この組み合わせは、それぞれが元兄のようなものなので非常におもしろいです。そんなふうには必ずしも思ってないのかもしれませんが。
ロス発祥のコーヒーショップはたしかスタバです。

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フラグメント

↑old↓new
〈落忍〉
生い先こもれる窓のうちなるほど(滝夜叉丸と綾部)
かじつ(五年ろ組)
営門を仰ぐ(小松田)
艶書(会計委員会)
俺の指を噛んで(六年は組)
裏打(伊助とは組の誰か)
全てを捧げる朝(きり丸)
今夜の嵐は荒れるだろう(久々知と伊助)
空蝉(金吾と喜三太)
知音(双忍)
寄する波(会計委員会)
故にあなたを捨てられない(図書委員会)
内密(双忍)

〈グレンラガン〉
手折る指先(ロシウとシモン)
順列のともし火を絶やさぬよう(ロシウとヨーコ)

〈ソウルイーター〉
「ひどく憎んでいるかぎり、まだいくらか愛しているのである。」(シュタイン)
「人間よ。汝、微笑と涙との間の振子よ」(ソウル)
「どんな忠告を与えるにしろ、長々と喋るな。」(椿とブラックスター)
秘密という寓話(マカとソウル)

〈SilverSoul〉
葡萄色した東雲に(銀時と土方ととある女)
フォゲット・ミー・ノット(土方と銀時)
Good bye.(神楽と新八)

〈APH〉
夕焼けに薔薇と桜(イギリスと日本)
ドリンクはお好みで(フランスとイギリスとアメリカ)
約束の約束(アメリカと日本)
落葉の手(日本とイタリアと)
寒鴉ひとこえ是と哭けり(プロイセンとロシア)
わたしの緑、わたしのケロイド(イギリスとアメリカ)
藍より出でて(イギリスと日本)

〈fkmt〉 
2番までは知らない(カイジとアカギ)
銀河と君が近かった時代(ひろと赤木さん)
高さのちがう肩に降る(しげるとカイジ)
きしんだ髪と遠くの愛(カイジ)
先生が優秀でしたから(ひろと赤木さん、市川さんとアカギ)
失う前に捨てなさい(カイジとアカギ)
手遅れになったら会いましょう(アカギとカイジ)
ていたらくの作り笑い(しげると涯と零とカイジ)
今はまだ昨日のこと(赤木さん)

〈neuro〉 
アーケオプテリクスの緑(弥子とネウロ)
a solitary example.(弥子とネウロ)
ラワーレ(弥子とネウロ)
いつも五分前(篚口と弥子)
The sleeping Cat.(ネウロと弥子)
n and y(弥子とネウロ)

〈其の他〉
春風の地平(はぐと花本先生)
無何有郷(ベルとキティ)
蓮(曽良と芭蕉)
君は呟く。(中禅寺と榎木津)
ダーリン・フロム・ヘル(笠野と達海)
くたばってしまえ(静雄と臨也)
こどもは隠れるのがうまい(ジャーファルとアラジン)

〈一次創作:掌編〉
薄荷はレモン
香典はセロリ分引いといたから次は蟹で頼む
星に願いを
みかん捨て場には近いし隣室がちょうどいい
語感で会話してるとこうなるっていう一例
十年一日(俺の十年、奴の一日)
コーヒー置いてけ
船出の刻
透明人間は派手で儚いレインボーの夢を見る
モ・クシュラ
蝶々が尋ねる花はこの野にある
秋は剥落

管理人:りつか

ぎんたま以外に書いたものを雑多に。 コンセプトは「好きなものを好きなだけ」。

quod tacui et tacendum putavi.…「わたしが語らなかったこと、そしてわたしが黙っているべきだと思ったこと」。いわぬが花を口にする無粋、を承知で語らずにはおられない気持ちで。

ぎんたま以外に書いたものを雑多に。 コンセプトは「好きなものを好きなだけ」。

 





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